今回は無垢材を選ぶときの基礎知識や、樹種による特徴などを専門的な視点から解説していきます。
無垢材が気になっている、もしくは無垢材にしたいけど樹種はどれがいいのかな?と考えている方におすすめの内容となっています。
それでは、早速今回の記事の要点から見ていきましょう。
・無垢材はフローリング材に比べて「冬の足ざわりの暖かさ」が大きく違い、展示場で一番体感いただきたいポイント
・無垢材にはデメリットも存在し、一般的なフローリング材に比べてメンテナンスに手間がかかる一方、経年の変化を楽しめる
・床材に適した樹種は、スギ・ヒノキ・パイン(マツ)・ナラ(オーク)・タモ(アッシュ)・ウォールナット
・樹種によって時間経過とともに色が薄くなる樹種、色が濃くなる樹種、色が変化する樹種がある(詳しくは本文内で)
<1>無垢材のメリット

無垢材の魅力は、なんといっても自然素材ならではの温もりと経年美です。
合板フローリングでは味わえない足ざわり、時間とともに深まる表情、そして調湿・断熱といった機能性が、心地よい暮らしを支えます。
特に冬に体感しやすい特徴としての温かみを、より具体的に「なぜ温かいのか」、そして他の無垢材ならではのメリットを見ていきましょう。
<1-1>無垢材は気泡が多いから暖かい

出典:森林・林業学習館
一般的な複合フローリング(合板)は、ベニヤ板を接着剤で重ね合わせた構造をしています。
それに対して無垢材は1本の木から切り出された天然木のかたまり。
木の内部には微細な空気層(気泡)が多く含まれており、この空気層が断熱層の役割を果たすため、冬場でもヒヤッとせず、素足でも温かみを感じるのです。
特に部屋の中でも素足で暮らすことが多い方にはおすすめです。
また、無垢材の空気層は湿度を吸収・放出するため、夏場であっても足裏に湿気がこもりにくく、さらっとした心地よさを保ちやすくなります。
<1-2>調湿機能がある

木は伐採された後も呼吸を続ける生きた素材です。
内部の「細胞壁」には無数の微細な孔(こう)があり、湿度が高いときにはその孔が水分を吸着し、乾燥時期には放出するという、自然の調湿作用を持っています。
これは、木材の主成分であるセルロースやヘミセルロースが水分と結合・離脱を繰り返す性質によるものです。
この吸放湿の働きによって、室内の湿度変化をやわらげたり、夏場の床材のベタつきなどを軽減する効果が期待できます。
一方で、表面をウレタン塗装などで厚くコーティングしたフローリング材は、木の呼吸をほぼ封じてしまうため、こうした調湿機能は発揮されにくくなります。
そのため、「木の質感やぬくもり」を重視する方には、無垢材でも自然塗装やオイル仕上げの無垢材がおすすめです。
<2>無垢材を採用する前に理解しておくべきこと
一方、無垢材を使う上では注意点もあります。
導入前に知っておくと「思っていたのとなんか違う」といった思い違いを防げるでしょう。
<2-1>木は動くという事実

出典:ウッドワン・床材カタログ
無垢材の最大の特徴であり注意点でもあるのが、「木は呼吸し、膨張・収縮する」という性質です。
湿度が高いと膨らみ、乾燥すると縮むため、反り・すき間・割れといった変化が起こることがあります。
建築の専門用語では、膨張して床材同士がぶつかる現象を「突き上げ」、逆に冬季などに木材が収縮して床材同士に隙間があく現象を「目隙」と言います。
これは欠点ではなく、工業系のフローリング材でも同様のことが発生しますが、自然素材ならではの特徴としてその変化量は大きいです。
施工の際には、職人が “暴れ” を最小限にするよう調整しながら施工しますが、それでも経年変化などや急激な湿度変化によって木は動きます。
また、床暖房との併用を希望する場合、膨張・収縮が比較的少ない樹種(ナラ・アッシュなど)かつ、床暖房対応の床材を選ぶとその動きが最小限に抑えられます。
<2-2>凹みやキズがつきやすい

出典:ウッドワン・床材カタログ
無垢材は塗装による表面保護がされていても、家具やおもちゃの衝撃で凹むことがあります。
特にパインやスギといった針葉樹系は柔らかいため、生活の跡が残りやすい傾向です。
ただし、これも“味”として楽しめるのが無垢材の良さ。

出典:ウッドワン・床材カタログ
小さな凹みであれば、濡れタオルを当ててアイロンの蒸気を当てることである程度復元できる場合もあります。
また、オイル塗装仕上げの床であれば、部分的な補修も比較的簡単に可能です。
<2-3>日焼けなどで色が変化してくる

出典:ウッドワン・床材カタログ
無垢材は時間とともに色味が変化します。
これは紫外線や酸素との化学反応、油分の酸化などによる自然な経年変化で、素材ごとに方向性が異なります。
以下では代表的な樹種の変化を一覧にまとめました。

このように、「色が濃くなる」「明るくなる」「黄みが出る」など、経年変化の方向性を理解して選ぶと、将来の空間の雰囲気を想像しやすくなります。
<3>床材に適した樹種の紹介
無垢フローリングに使われる木は、世界中に数百種類あります。
その中でも住宅用に適しているのは、強度・耐久性・木目の美しさ・加工性のバランスが取れたもの。
ここでは特に人気の高い6種を紹介します。
<3-1>ナラ(オーク)

出典:マルホン
硬くて丈夫、木目がはっきりとしていて重厚感があります。
耐久性が高く、LDKや廊下など使用頻度の高い場所にも安心して使える樹種でもあります。
やや黄味がかったナチュラルブラウンで、どんなインテリアにも合わせやすい万能な床材です。
北欧スタイルやナチュラルモダンな空間との相性も抜群で、エツサスでも人気が高い樹種の1つです。
<3-2>カバ(バーチ)

きめが細かく、均一で上品な印象を与える樹種です。
木肌がなめらかで手触りが良く、ほんのりピンクや黄味を帯びた優しい色合いが特徴。
空間に明るさとやわらかさをもたらします。
強度・硬度ともにバランスが取れており、ナラほどの重厚さはないものの、凹みやキズにも比較的強いため、家族が長く暮らすリビングや子ども部屋にもおすすめです。
経年によってやや赤み・黄みが増し、より深みのある落ち着いた色合いに変化していきます。
この自然な色の変化がインテリア全体にあたたかみを加え、ナチュラルテイストや北欧スタイルとの相性も抜群です。
特に柔らかい雰囲気の空間づくりをしたい方、やさしい印象の木目が好みの方にぴったりの樹種です。
<3-3>クルミ

ほどよい硬さとやさしい風合いが魅力の樹種です。
ウォールナットよりも淡いブラウンで、経年によりやや明るく、やさしい色合いに変化していきます。
木目は穏やかで上品な印象を与え、ナチュラルモダンや北欧スタイルなど、柔らかい雰囲気のインテリアと相性が良いのが特徴です。
手触りはさらりとしており、素足で過ごす床にも最適。
強度・耐久性のバランスがよく、凹みやキズにも比較的強いため、リビングやダイニングなどの主要空間にも安心して採用できます。
無垢材らしいぬくもりと、落ち着いた自然の色調を楽しみたい方におすすめの樹種です。
<3-4>ウォールナット

出典:マルホン
高級家具でもおなじみの銘木です。
濃いブラウンが空間を引き締め、落ち着いた雰囲気を演出し、寝室などダークな雰囲気をつくりたい空間に人気が高い樹種となります。
経年ではやや明るくなり、味わいが深まるタイプで、モダン・ホテルライク・大人のインテリアにおすすめです。
<3-5>パイン(マツ)

出典:マルホン
柔らかく、足ざわりがやさしい素材です。
断熱性が高く、素足での暮らしに向いています。
表情豊かな木目がナチュラルさを強調しますが、節が多い点は少し好みが分かれるポイントでもあります。
また、柔らかい素材であるがゆえに凹みやすいので、椅子を多用する空間では注意が必要です。
<3-6>スギ

出典:マルホン
軽く柔らかい針葉樹で、建築に使われる木材ではもっとも代表的な樹種です。
調湿・断熱性に優れ、素足文化の日本の家にぴったりで、無垢材以外にも間柱など様々な部位に使われることが多いです。
その表情も、木目が柔らかく、香りも心地よいのが特徴で、その香りはリラックス効果と共に防虫効果もあるとされています。
そのため、寝室や和室といったリラックスする空間に向いているとされています。
<3-7> ヒノキ


出典:マルホン
日本を代表する高級木材です。
上品な光沢と香りで癒し効果も抜群。
耐久性・防虫性にも優れ、湿気の多い環境にも強く、床材以外では土台などに使われることも多い樹種です。
和モダン・ナチュラルテイストのどちらにも調和します。
まとめ

無垢材は、単なる「床材」ではなく、暮らしと共に育つ素材です。
確かに、反りやキズなどのリスクはありますが、それ以上に「心地よさ」「ぬくもり」「愛着」が得られるのが最大の魅力と言って間違いないでしょう。
選ぶときは、住まいのテイストだけでなく、実際の足ざわり(硬め/柔らかめ)や経年変化の方向性(濃くなる/明るくなる)も考えて樹種を選ぶとよいでしょう。
木が持つ自然の力を日々感じながら、自分たちの暮らしに馴染んでいく過程を楽しめる無垢材を、ぜひエツサスのモデルハウスで体感してみて下さい。
素足で歩いたときの心地よさを一度体感してみると、考え方が変わる方も少なくありません。
エツサスでは無垢材を標準仕様として採用しています。
