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【平屋・1.5階建・2階建比較】断熱性能・耐震性で徹底比較

今回は、新築の「建て方別」での性能比較を解説していきます。

前回の記事ではコスト面の違いを紹介しましたが、今回はもう一歩踏み込んで、平屋 / 1.5階(1階寝室プラン) / 2階で「性能」の観点から見た建て方の違いを整理します。

「平屋は断熱性が高そうだけど、実際はどうなの?」
「1.5階建てって性能面では中途半端?」
「耐震性はどの建て方が安心?」

そんな疑問をお持ちの方に、専門的な根拠をもとに、分かりやすくお伝えしていきますので最後までご覧ください。

それでは、まず今回の記事の要点から見ていきましょう。

・断熱性能は2階建ては上下が重なる分、外気に触れる外皮面積が小さく、平屋よりも断熱性がやや高くなる傾向があります

・建て方だけでなく、躯体そのものの断熱材の種類・厚み、サッシの大きさや性能など間取り個別の影響をしっかり考慮しながら設計する必要がある

・耐震性は平屋が有利

・平屋が有利な理由は、物理の法則からも高さが低い方が横から受けるエネルギーが小さくなることや、2階の重さが載っていないこと

・平屋だから耐震等級1や2でも大丈夫、はNGであり、平屋であっても構造計算(許容応力度計算)による耐震等級3はマスト

<1> 建て方による断熱性能の違い

まず結論としては、平屋、1.5階建て(今回の記事では1階のLDK・寝室があるプランを指す)、2階建てで同じ床面積のとき、条件がまったく同じであれば原則は2階建てが一番有利な結果が出ます

断熱性能は、家の外気に接する部分から、どれだけ熱が逃げていくか?(逃げにくいか?)を計算していきます。

断熱材や石膏ボードなど、それぞれの熱の伝えにくさを示すU値という数値を掛け合わせながら計算し、最終的に出てくる数値がいわゆる「UA値」です。

U値のAverege(平均)、という意味でUA値となっているわけですが、この平均は何で最終的に割算をしているか?

それは外皮面積であり、この外皮面積の大きさの違いが建て方によって出てきます。

<1-1>外皮面積とは?

外皮面積とは家の“皮”、つまり屋根(天井)、外壁、床(基礎)、窓、ドアなどの外まわりの部位を指します。

これらの面積を「外皮面積」と呼び、住宅の断熱性能を示す指標である UA値(外皮平均熱貫流率) の計算に使われます。

外皮面積が大きいほど、外気に触れる部分が増えるため、同じ断熱材でも熱が逃げやすくなるという特徴があります

たとえば同じ延床100㎡の家でも、平屋や1.5階建ては屋根も基礎も1層分ずつ必要になるため、外皮面積が大きくなります。

たとえば、延床100㎡(約30坪)の住宅で簡単に計算すると…

・平屋:屋根100㎡、基礎100㎡、外壁100㎡ → 外皮面積 約300㎡
・2階建て(50㎡×2階):屋根50㎡、基礎50㎡、外壁約140㎡ → 外皮面積 約240㎡

一方2階建ては上下階が重なるぶん、屋根や基礎の面積が半分になり、外皮面積は平屋の約8割ほどに抑えられますが、外皮面積が変わっても、床・壁・天井、全て同じ断熱材だとUA値は同じになります。

一般的に壁よりも天井の方が断熱厚みが大きいので、天井(屋根)面積が大きい平屋の方がUA値は良くなりやすいのです。

家の形や階数は、断熱性能にも関わる要素といえます。

<1-2>1.5階建ての場合

出典:石川県 金沢市 | エツサスの家|北陸の住まいに最適な性能

1.5階建てとは、平屋に近い間取りながら、1階に寝室などを設けて、2階に子ども部屋を設けた建て方を指します。

延床面積が同程度であれば、外皮面積は平屋と2階建ての中間くらいの数値になります。

断熱性能的には「ほぼ平屋に近いが、やや2階建て寄りの効率」と言えるでしょう。

ただし1.5階建ては吹抜を利用しやすく活用できる分、屋根断熱の性能がより重要になるなど、個別の設計に応じた仕様の調整が大事です。

<1-3>個別の設計が大事(間取りや開口部による差)

外皮面積だけでなく、実際の断熱性能は設計の細部でも大きく変わります。

建て方ではなく、以下のようなポイントに気を付けると断熱性・省エネ性がよくなります

・窓面積が多いほどUA値は悪化(あまりにも少ないと採光でアウトになる)

・吹き抜けがあると外皮面積は増えなくても、一次エネルギー消費量は大きくなる
(省エネ性が悪化方向にいくため、そこも見据えた設計が重要)

・家の形状が複雑(L字・コの字)なほど、外皮面積が大きくなり断熱性能は悪化方向にいく

また、サッシの種類(樹脂 or アルミ樹脂複合)やガラスの性能(Low-E・トリプルガラスなど)によっても結果は大きく変わります。

したがって、「平屋だから暑い」「2階建てだから寒い」という単純な比較ではなく、建て方+設計ディテールの総合力で判断することが大切です。

<2>建て方による耐震性の違い

続いて、耐震性について見ていきましょう。

結論から言えば、耐震性能は平屋が有利です。

これは構造計算の世界では基本的な原理で、建物の高さが低いほど、地震時に受ける「水平力(横揺れの力)」が小さくなるためです。

また、平屋は2階の荷重(重さ)がないため、建物全体の重心が低く、揺れにくい構造になります。

構造的には、重心が低いほど倒れにくいのと同じ理屈です。

<2-1>平屋が有利な具体的な理由

出典:石川県 かほく市 | エツサスの家|北陸の住まいに最適な性能

地震時には、建物の高さが高いほど揺れ幅(変形量)が大きくなります

同じ耐力壁を配置しても、2階建ては1階部分に大きなせん断力(物体をずらすように働く、互いに反対方向の力のこと)が集中します。

これに対して平屋は、構造の単純さゆえに力の分散がしやすく、耐震設計が安定しやすいのです。

また、2階の荷重を支えなくてもよいため壁量も少なく済み、重心と剛心のズレ(ねじれ)が起きにくく、地震時の変形を抑えられる利点があります

<2-2>平屋だから耐震等級1でも安心は誤り

よくある誤解に、「平屋は頑丈だから等級1でも大丈夫」というものがあります。

しかし、これは大きな間違いです。

確かに平屋は構造上有利ですが、それはあくまで設計上のポテンシャルの話であり、実際には間取りによっては壁量が不足したり、開口部が多いリビングが構造上の弱点になるケースもあります。

したがって、平屋であっても、構造計算(許容応力度計算)による耐震等級3の取得はマストです。

また、構造計算を行わない「仕様規定」だけの設計では、壁の配置バランスや接合部の強度検証が不十分になり、実際の地震時に想定外の挙動を示すリスクもあります。

<2-3>等級だけでなく計算方法も重要な要素

耐震等級には「等級1〜3」のランクがありますが、同じ等級3でも計算方法によって精度が異なります。

・仕様規定による等級3:簡易的なチェックのみ

・構造計算(許容応力度計算)による等級3:部材ごとの応力を詳細に計算

後者は構造計算ソフトを使い、梁・柱・接合金物の強度や変形を細かく検証するものです。

つまり「平屋で等級3(仕様規定)」よりも、「2階建てで等級3(許容応力度計算)」の方が、実際の耐震性能が高くなり、より確固たる安心感を得ることができます

そのため、平屋か2階建てか?だけでなく、このような等級と計算方法の両方を検討していくことが望ましいです。

まとめ

 

ここまで見てきたように、断熱性は2階建てがやや有利、耐震性は平屋が有利という構造上の違いがあることが分かりました。

ただし、家の性能は建て方だけで決まるものではありません。

断熱材の性能や施工品質、窓の配置、屋根形状、耐力壁の配置バランスなど、総合的な設計力と施工精度が、最終的な快適性と安全性を左右します。

エツサスでは、どの建て方を選ぶ場合でも、断熱等級6(HEAT20 G2グレード)・耐震等級3・許容応力度計算による設計を標準とし、「北陸の気候風土に合った長く安心して暮らせる家」を追求しています。

平屋・1.5階建て・2階建て、それぞれの特性を理解し、暮らし方に合った構造を選ぶことが、性能と安心の両立につながる最も確かな方法です。

気になった方は、ぜひエツサスのモデルハウスのご見学にお越しください。

また、コスト比較の記事も合わせてご覧ください。

【平屋・1.5階・2階建比較】建築コスト・光熱費・維持費で徹底比較 | エツサスの家

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