今回は新築を検討し始めた方向けに、「規格住宅」について解説をしていきます。
規格住宅と聞くと、間取りが変えられないネガティブなイメージを持たれている方も少なくないでしょう。
そこで規格住宅の注文住宅や建売との違いや、知られざるメリットなども紹介します。
それでは今回の記事の要点から見ていきましょう。
・規格住宅は、仕様や間取りが大方決まっている住宅のこと・規格住宅の大きな違いは、決まっているモノを自分の好きな土地に建てる形になるため、考え方次第では打合せ等がラクに済む
・規格住宅では耐震計算などの費用が掛かる設計を都度やる必要がないため、コストカットができる
・規格住宅のデメリットは自由度の低さなので、オリジナル性を優先する方には不向き
<1>規格住宅とは
まず規格住宅とは、一般的に工務店側の「規格」(=一定のルール)に則って、プランを組んでいく住宅商品を指します。
すなわち、間取りや使う設備(キッチンやお風呂)などのグレードがあらかじめ決まっていたり、1から全部注文するフルオーダーではなくセミオーダーのような立ち位置の住宅です。
ただ、この時点で注文住宅を中心に考えている方は、規格住宅=選べる範囲が狭い家と思いがちですが、ここからは考え方次第です。
実は、選べる範囲が狭いと思いがちな規格住宅ならではのメリットがあることを紹介します。
<1-1>規格住宅は「タイパ」を重視する方におすすめ
規格住宅は、「セミオーダー住宅」とお伝えしましたが、見方を変えると「専門家によっておすすめが揃えられている状態」と言えます。
元々建築に携わっている等、間取りを自分で細かく考えることができる方は、注文住宅でも色々考えたくなるかもしれません。
しかし冷静に考えてみると、注文住宅を1から土地の広さ・法規も考慮して間取りを考えることができる方は一般の方ではほとんどいないでしょう。
注文住宅の打合せで ” よくある失敗例 ” として、下記のような方は実は多くいます。
・間取りを考えすぎて何がやりたかったか分からなくなった
・こだわったつもりが、統一感がなくごちゃごちゃになった
一方、規格住宅では、プロが考えて「規格」にしている時点で、基本的には「人気があるプラン」「コストパフォーマンスが高い設備」などを選んでいます。
このような観点から、あれこれ考えるより規格を当て込んだ方が合理的にいく可能性が高く、結果的に打合せの時間も短縮し、疲れも少なくなるでしょう。
特にお子さん連れのご家族では、間取り等の打合せが楽しくても、結構疲れるという方がかなり多くいらっしゃいます。
<1-2>規格住宅は「コスパ」を重視する方におすすめ
規格住宅では、一般的な注文住宅を建てる際に毎回必要なモノを削減できるため、同時にコストを安く抑えることが可能です。
その毎回必要なモノの代表例は、構造計算の費用です。
構造計算とは、3階建て以上の建物や300㎡以上の大きな建物を建築するために必須になっている建物の耐震性を考える計算のことです。
この構造計算ですが、実は落とし穴が1つあります。
実は木造平屋・木造2階建てでは、このような構造計算をしなくても家を建てることができてしまいます。(これを4号特例と言います)
しかし、家族の命を守るために重要な、耐震のための詳細な計算を省略して建築することをエツサスでは良しとしていないため、平屋や2階建てでも構造計算をしています。
計算を「しない」ではなく、計算が必要な項目を減らすことなど、フルオーダーでは毎々かかる費用を抑えておくことが規格住宅では可能です。
<2> 規格住宅は構造計算の費用や設備機器がオトクに
規格住宅では、このように構造計算の費用がオトクになります。
一般的に設計事務所などで行う構造計算の費用は、30万円~50万円です。
間取りが決まっている場合は、既に構造計算してある間取りを使うため、改めて設計費用を安く抑えることができます。
<2-1> 設備機器もオトクに
家で構造の次にコストがかかる部分としては、設備機器(キッチンやお風呂など)です。
こちらも、” 決まったモノ ” と聞くと不自由なイメージを受けますが、建売と違って色や細かい仕様などは選ぶことができます。
決まったシリーズになっているが故に、流通業者やメーカーの協力も得やすいためリーズナブルに提供できる点もコスパに効いてくるポイントです。
セミオーダーで十分、という方にはむしろ選びやすいという声を頂くこともあり、ここについては考え方次第です。
<3>注文住宅および建売住宅との「違い」
それでは、改めて注文住宅や建売住宅との明確な違いを見ていきましょう。
<3-1>注文住宅との違い
注文住宅は、間取りや仕様を一から組み立てていくところが、規格住宅との一番の違いです。
注文も規格住宅も、契約形態は「請負契約」という契約になり、これから作っていくものに対する契約になってきますが、打合せに要する時間や選ぶ範囲が大きく変わってきます。
規格住宅との一番の違いは、選べる部分が大きいこと、反面では打合せ等に時間や手間が多くかかります。
そういった意味では、オリジナル性を求めて家づくりに徹底的にこだわりたい、という方に注文住宅は向いています。
<3-2> 建売住宅との違い
建売住宅は、全て工務店側が設計・仕様決めも行って「建築済みになっている家」を販売する形態です。
契約も「請負契約」ではなく、「売買契約」として既にあるものを買う形が一番の特徴です。
規格住宅との一番の違いは、建売では家の仕様が全く選べないこと。
既にあるモノのため、自分の意思で中身をアレンジすることはできませんが、すぐに入居したい、あるモノを選ぶだけでいい、という方には向いていると言えます。
規格住宅では、間取り等がある程度決まっているとは言え、ある程度選んだうえで自分の希望する土地に、これから建てていく形態が大きな違いです。
<4>規格住宅のデメリット
それでは最後に皆さんが気になる規格住宅のデメリットも大公開していきます。
<4-1>隣に同じ家が建つと被る
規格住宅が隣同士で被ると、分譲建売のようなことになります。
特定のハウスメーカーが手がける大型分譲地など、よくある「外観被り」は注意したいところですね。
ただ、規格住宅では土地はご自身で選ぶ形になってくるため、例えば同じエツサスでさらに間取りや仕様も全く同じ家が隣にくる可能性は少ないのではないでしょうか。
もしかすれば、くらいの確率で自分の家と似たような家が見つかる可能性はあります。
<4-2>間取りの変更に制約がある
規格住宅は、基本的に間取りが決まっているプランが複数用意されています。
坪数や接道状況(道路の向き)に応じて、使い勝手がよく人気があるプランを用意しているものの、部屋の大きさを変更したい、といった変更要望への柔軟性が低いことが考えられます。
エツサスでは間取り変更の要望も承っておりますが、「耐震等級3」「断熱等級6」を標準設計としているため、その2点を守れる範囲での変更は可能になっています。
例えば、外形(家の外側の形状)は変えずに、内部の壁などを変更することは比較的自由に行うことができます。
そのため、規格のサイズが希望の土地にあてはまるのであれば、非常に魅力度が高いですが、土地の面積が20~30坪以下でかなりコンパクトな場合など、上手く希望の間取りがあてはまらない可能性もあります。
まとめ
このようなデメリットも踏まえて見ていくと、規格住宅は家づくりに「タイパ」「コスパ」を求める人におすすめの住宅と言えます。
家を建てることが初めてという方がほとんどの状況で、実は注文住宅のプランや仕様を、全部自分で決めていくことはハードルが非常に高いです。
スーツをオーダーするときのように、生地や刺繍方法までオーダーするのが結構難しいのと同じで、セミオーダーの方がスムーズに家づくりをすすめることがしやすい側面もあります。
注文住宅では後悔が多いのは事実で、インターネットにもたくさんの「後悔・失敗」が溢れています。
失敗しにくい家づくりとしても、規格住宅を選択肢の1つとして考えてもよいのではないでしょうか?
気になった方は、ぜひエツサスのモデルハウス見学や資料請求で、詳細をご覧ください。