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【家づくりの基礎知識】能登半島地震で注目の地盤の液状化とは?新築時に知っておくべき対策

令和6年能登半島地震で、被災された方にお見舞い申し上げます。

今回の地震では近隣でも被災された方もおり、非常に大変な状況です。

その中でも、特に富山エリアでは地震の揺れよりも「液状化」で悩まされた方も多かったようです。

そんな「液状化」のメカニズムや、液状化が起こりやすいエリア、そうでないエリアとの違い、対策方法などを紹介していきます。

それでは、まず今回の記事の要点から見ていきましょう。

・液状化とは地震の揺れで地盤が液体のように変化し、建っている家が傾いたり沈下してしまう現象・家はほんの少しの傾きでも、中にいる人の健康被害が出るような要素であり、地盤をしっかり保つ工事は非常に重要です

・北陸3県(石川県・富山県・福井県)の液状化マップを紹介、建築予定地域の液状化のしやすさは必ずチェックしましょう

・液状化には地盤改良が効果的ですが、その地盤チェックのためには一般的な地盤調査に加えて「微動探査」を掛け合わせることが大切

<1> 液状化とは

出典:日本経済新聞

液状化とは地震の揺れによって、地下水と土が混ざり合い地盤が液体状になる現象のことです。

液状化をしてしまうと、建物そのものの耐震性が高くても家が傾いたり、場合によっては家がひっくり返ってしまう怖い現象のことです。

それでは、まずなんで普段は硬い土地が、液体状になるの?という解説から見ていきましょう。

<1-1>液状化現象の仕組み

出典:国土交通省

まず液状化現象は、地震の揺れで普段は固まっている土の粒子が動き、水分と土の成分が分離して起きます。

液状化現象は流動性の高い水分が地表に移動し、粒子が重い土の成分が沈下する現象で、場所によってもバラつきがあります。

液状化が発生すると土地が隆起(飛び出る)したり大きく凹んだりして、家も同じように簡単に動かされてしまいます。

<1-2>液状化で家が傾くとどうなるの?

家は工事をする段階で水平を正確に出して建築されます。

建築基準法では、3 / 1,000以内 ( 0.17 度以内)を許容範囲と設定されています。

つまり、1メートルにつき3mm以内の傾きであれば建築基準法的にも問題なく、また人間の平衡感覚にも支障が出る可能性は低いとされています。

しかし、これが仮に傾きが1度になっただけで、多くの人が平衡感覚がおかしくなったり、睡眠障害などの健康上の悪影響が出ると言われています。

建物の直下が液状化現象で水平がズレてしまうと、倒壊や損傷をしていなくても実質的に住めない家となってしまいます。

補修をする費用は数百万円~、高いと1000万円近くになるケースもあります。

<2>液状化のリスクを減らす対策

地震を100%防ぐのと同様、液状化を100%防げると言い切ることはできませんが、発生リスクがある土地でも「地盤改良」によってそのリスクを低減する対策があり、さらには液状化が発生しにくい土地を選ぶことが大事です。

まずは地盤改良について分かりやすく解説します。

<2-1>地盤改良とは

出典:地盤Dr.

地盤改良とは大きく3つの方法があり、いずれも硬い地盤に家を支持させるための工事です。

この3つの方法は地盤の硬さや、支持できる地盤の有無など様々な条件でベストな選択肢を取ります。

1つ目の表層改良は、その名の通り家の基礎の下の土を入れ替える工事で、元々あった土とセメント系の硬化剤を混ぜて地盤を固めます。

目安としては2m程度の土を入れ替えて強固な地盤とします。

2つ目の柱状改良も、戸建住宅では多く採用される工法でコンクリートの柱を数十本打ち込んで家の基礎を支持させます。

3つ目の鋼管杭工法は、柱状改良と方法は似ており、打ち込む杭に鋼管を使用する方法です。

いずれも、地震などで軟弱地盤が多少動いたとしても、家を動きにくくする工事です。

<2-2>液状化対策を兼ねた地盤改良の方法

出典:スクリュープレス工法協会

上記で紹介した3つの地盤改良は、地震の際に杭が折れたり、杭を通じて反対に地震波を建物に伝えてしまう可能性等のデメリットがあります。

エツサスでも採用している地盤改良の方式「スクリュープレス工法」は、柱状形状に方法は似ていますが、コンクリート柱でなく細かく砕いた石と、押圧によって地盤全体を固めていきます。

コンクリートでなく砕石を使っている大きな理由は、地震の際に液状化の原因となる地下水の上昇を、この砕石部分を通過させて地下水の水圧を逃がすためです。

砂地盤を強固に締め固めるのと同時に、地震波を減衰させる効果もある改良方式で、軟弱地盤が多い北陸にはピッタリの地盤改良方式であるとも言えるでしょう。

<3>北陸3県で液状化しにくいエリアとは?

液状化が発生しにくいエリアの見極め方は、ズバリ地域のハザードマップを確認することです。

ここでは、北陸3県の液状化想定マップを一覧でリンクしておきますので、お住まいの地域やこれから新築で検討しているエリアをチェックしてみましょう。

[石川県] ※北陸地方整備局発行

 

【富山県】※北陸地方整備局発行

 

【福井県】※各自治体発行

市によっては「地震マップ」「揺れやすさマップ」というものがありますが、液状化のしやすさとは必ずしもリンクしているわけではありません。

この液状化ハザードマップを見ていると、海に近い平坦な地域・川に沿った地域が液状化の危険度が高いエリアとなっていることが多いです。

ただ、例えば富山市・高岡市では主要地域全体が5段階中、上から2番目の危険度となっており、富山市内に家を建てるのであれば避けられないような状況です。

そのため、このような状況を予め知って対策を施しておくかどうか?で、もしもの時の被害状況が大きく異なることがあります。

<3-1> 液状化が発生しやすい地域の特徴

先ほど、ハザードマップ上では海や川に近いエリアは危険度が高い地域が多い、と解説をしましたが、実際はどうなのか?

出典:東京都

液状化現象は砂地のエリアで発生しやすい傾向があります。

上図を見てみると、蛇行が多い川の近く・自然堤防の周辺・埋立エリア・三角州といった地域が比較的液状化の可能性が高いとされています。

また内陸部でも、以前は河川や池であった場所を埋め立てた場所などは、地下水を多く含んでいたり、砂地で揺れで動きやすかったりする特徴があります。

よく地名に「さんずい」がついているところは危険という話を聞く方もいますが、単純に地名だけではなく、地図やハザードマップなどをしっかり確認して購入する土地・エリアを選定することが望ましいでしょう。

また、富山市のように市内主要地域全体に渡っている場合は、特に地盤調査と地盤に応じた改良などが重要になってきます。

<4> 地盤調査+微動探査で二重の安心

一般的に戸建を建てる時には、どこの住宅会社も地盤調査を行います

これはスウェーデン式サウンディング試験というもので、元々は戸建住宅を支える支持力(地盤が建物の重さに耐えられるか)を求める試験です。

杭を打ち込んで土の抵抗を測ることで、硬い地盤がどこにあるか?などを調べ、戸建住宅の重さなどから必要な杭の長さや本数などを算出することを目的としています。

そのため、液状化しやすい土地かどうか?を調べているわけではありませんが、調査の過程で地下水の水位や土質を検査できるため、簡易的に液状化のリスクも調べることができます

詳細に検査する場合はボーリング試験を行わないといけませんが、戸建住宅では基本的にそこまで調査することは少ないことと、液状化現象は土質や地下水に状況など様々な要因が複合的に重なって起きるため絶対的な判定は難しいのが現状です。

ただ今回は液状化に焦点を当てていますが、一方でこの地盤調査は「揺れやすい土地かどうか?」は調べていません

<4-1>土地の揺れやすさで地震のエネルギーが変わる

出典:Be-Do

エツサスでも導入している「微動探査」という試験があります。

その土地や周辺地盤の揺れやすさ、地震が来た時に地盤の特性でどれだけ揺れが増幅されるか?共振しやすいか?などを調査する試験です。

同じ震度5でも、地盤の硬さによって実際に伝わるエネルギーは大きく変わり、地盤によっては震度5以上のエネルギーになってしまいます。

これは建物の設計に大きく影響し、このような揺れの大きさと、建物躯体・基礎の設計がリンクしていることが大事です。

<5>エツサスでは耐震等級3+北陸に合った地盤改良+微動探査

出典:【射水市】エツサス・モデルハウス

エツサスは、建物の耐震等級が最高ランクである3を標準にしていることだけでなく、液状化対策が考えられているスクリュープレス方式の地盤改良、そして微動探査も行っています

建物本体については地震時の揺れをシミュレーションで想定し、地震の際にどこにエネルギーが掛かりやすいか?などを調査した上で設計に落とし込んでいます。

地震があった直後は、多くの方が耐震性を気にされますが、人間だれしも時の経過とともにデザイン性など目に見える部分に比重がいきがちなものです。

エツサスでは、人気な外観・インテリアを取り入れているだけでなく、建物として安心して住み続けることができるような設計、かつ北陸エリアを熟知しているからこそできる設計構造が特徴です。

ぜひ、気になった方はお近くの展示場・モデルハウスにご来場ください。

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