今回は、平屋で最大のデメリットである「割高感」を抑えるための方法や、コツなどをお伝えしていきます。
2階建てを検討している方にも共通なポイントがつまっていますので、ぜひ参考になさってください。
それでは早速、今回の記事でお伝えする要点からみていきましょう。
・平屋は同じ床面積の2階建てと比べて、屋根や基礎が大きくなって使う材料が多くなることで一般的には割高になる
・使う材料が多くなる=価格もその分上がる、という事実は変えられないため、設計や申請費用などにかかる費用を抑えることに注目しよう
・間取り上の工夫で床面積を抑えることが、もっとも合理的なコストダウンにつながる
・床面積を単純にコンパクト化すると狭さを感じやすくなるため、平屋のメリットを生かして天井高の高い空間にするなどの工夫をしてみましょう
・予算が合わない場合は、注文住宅ではなく規格プランなど「合理的に価格を抑えている住宅会社を選ぶこと」がおすすめ
<1>平屋は高い?その理由は
一般的にどの住宅会社で聞いてもらっても「平屋は割高ですよ」という回答が返ってくるでしょう。
この言葉を正確に言い換えると、「同じ床面積の一般的な2階建てに比べると、価格が高くなります」という意味になります。
昨今は平屋を検討される方が急増している背景もありますが、まだ2階建てを建てられる方が多いです。
その中で、平屋が2階建てに比べて高くなる理由と、住宅の価格の成り立ちについて少しふれていきます。
<1-1> 平屋が2階建てより割高な理由
同じ30坪の家でも、2階建てと平屋では掛かる材料が変わってきます。
大きく変わる部分は、屋根と基礎です。
30坪の床面積と言っても、2階建ての場合は15坪+15坪になります。
そのため基礎も屋根も15坪分で済んでしまう一方、平屋の30坪の場合は屋根も基礎も30坪分あるわけです。
もっとも、建築費用全体から見ると、基礎・屋根のコストが占める割合は約1割~多くても2割未満です。
そのため、単純計算では2階建てに比べると、基礎・屋根の部分でおおよそ1割程度アップする、と考えておくとよいでしょう。
もちろん、住宅では屋根・基礎以外の要素もたくさんあり、平屋にすると減るもの(階段や外壁など)もあるため、一概にどれくらい上がるか?はプランをしてみないとわかりません。
ただ、ほとんどのケースで2階建てに比べて割高にはなります。
<1-2>住宅の価格の成り立ち
住宅(建物本体)の価格は、主に使う材料と大工さんなどの人件費で構成されています。
業界内では材・工という言い方をしますが、例えばキッチン本体の価格と、工事する職人さんの費用になってきます。
ここで各社、適正な利益を確保しながら商売をしているわけなので、一定以上の利益を削ることは基本的に難しいわけです。
そうなると、使う材料を減らすか、それとも作業する手間を大幅に減らすか、どちらかになるわけです。
しかし、職人さんの手間を大幅に減らすことは、人の手で作る建築においては非常に難しいため、安く建てようと思うと使う材料を減らす・安価なタイプに切り替えることが最善策になります。
<2> 賢く安くするため注目すべき点
平屋に限らず、新築を賢く安くするために注目すべきポイントを解説していきます。
<2-1>設計費用
設計費用と言いますと、大きな括りになりますがここでは主に「構造計算の費用」「省エネなどの計算費用」と考えてもらえればと思います。
住宅を建てるとき、昨今では耐震性や断熱性が基準を満たしているかどうか?チェックする必要があります。
注文住宅は一品一様になっていることから、一からこの計算をしている実態があります。
分譲建売や規格プランが、注文住宅に比べて比較的安く抑えられる理由の1つでもありますが、このような計算費用が掛からない住宅会社や、シリーズを選ぶとよいでしょう。
特に規格プランの場合、人気がある間取りからセミオーダー式に選ぶ形になりますが、比較的使いやすい普遍的な間取りが用意されていることが多いため、徹底的にこだわりたい方以外はむしろ合理的であるとも捉えられます。
<2-2> 床面積を抑える
新築の打合せが進むと、予算オーバーしてしまう方が多くなってきます。
理由は様々ですが、住宅のコストに大きく影響する部分としては床面積を抑えることが一番近道です。
キッチンや内装インテリアの仕様をグレードダウンする、といった細かい部分でのコストダウン方法もたくさんありますが、もっとも効果的に数十万円から100万円単位で削減していくには床面積を抑えるしかない、と言っても過言ではないでしょう。
床面積を抑えると、構造材・基礎・外壁・屋根・内装材といった主要な部材を全体的に減らせるため、坪単価がそのまま下がるわけではないものの、予算をぐっと下げられる可能性が高いです。
<3>同時に対策するべき点
安く抑えるために必要な要素として、床面積を抑えるという点を前章で解説しましたが、単純に床面積を抑えていくと「シワ寄せ」がどこかに現れます。
当然、面積が小さくなってくるので、窮屈な感じになっていくわけです。
そこで、床面積を削るだけではなく、取るべきおすすめの方法もお伝えします。
<3-1>天井高さをアップする
出典:【福井市栄町】暮らしを楽しむプライベートテラスのある家
人は広さを感じる時に、立体的に空間の大きさを捉えます。
そのため床面積をコンパクトにした分、天井高さを上げることで補うことがおすすめです。
東京大学大学院の西出教授の研究では、物理的に同じ容積の空間であれば、床面積より天井面が高い空間の方が広く感じる人が多い、という結果もあります。
このことから、リビングなど在室時間が多い部屋の天井高さをアップしておくと、狭さを感じにくくなるでしょう。
もっとも、平屋の場合は小屋裏空間を吹き抜けとして利用しやすいメリットもありますので、平屋ならではのメリットを生かしましょう。
<4>規格プランは合理的な家づくりでもある
ここまで平屋で賢く予算を抑えるポイントを紹介してきましたが、多くの方が初めての家づくりです。
注文住宅で徹底的にこだわり抜きたい方以外は、規格プランで合理的に考えるという選択肢もあります。
平屋の場合、ある程度の土地の大きさは必要になってきますが、規格プランが入るような面積・形状があれば合理的に割安な平屋がラクに手に入りやすいです。
<4-1>規格プランは合理的に割安になる工夫が満載
注文住宅と価格がほとんど変わらないような規格プランはメリットも何もなくなってしまうため、一般的には規格プランには割安になる工夫が詰め込まれています。
あらかじめ構造計算や省エネ計算がされている、設計に掛かる人件費をカットできるといった要素に加えて、普遍的に人気のあるプランから割安にできるプランがチョイスされています。
そのため、あれこれ難しく考えるより、規格プランを選ぶ方が合理的で賢いとも言えます。
もちろん、完全オリジナルな間取りではなかったり、土地に対して少し無駄な部分が出るかもしれません。
ここは考え方次第といった部分になるため「正解」はありませんが、考え方を柔軟にするだけで割安に平屋が建てられることにつながります。
まとめ
エツサスでは、北陸の気候に合った住宅性能を備えた規格プランが特徴になっています。
規格プランと言うと、安っぽいようなイメージはありませんか?
しかしエツサスでは、全棟で長期優良住宅を取得し、高性能なハウスメーカーと同様の性能で建物本体価格が税抜1,700万円~となっています。
最近は、1階寝室プランである「平屋プラス」も人気になっていますので、平屋というキーワードが気になっている方はお気軽に近くのモデルハウスへお越しください。
24年8月上旬には石川県金沢市で1階寝室の「平屋+」のモデルハウスがオープンします。
完成に先立ち、現場見学会を行っていますので、こちらも合わせてチェックしてみてください。
【金沢市三口新町】街中で平屋暮らしを実現!1階寝室の家 | エツサス