北陸エリアは、特に冬の日照時間が短いのは皆さんもご存知ですよね。
雪も多く曇天が多い北陸エリアで新築を考えているみなさんに、知っておいてほしい窓の選び方をお伝えしていきます。
北陸ならでは、のポイントもお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてください。
それでは、まず今回の記事の要点から見ていきましょう。
・北陸エリアは冬季に日射量が少ない(日照時間が短い)ため、実は他のエリアより断熱性能を高めておいた方がよい
・健康的な生活を送るための室内温度、という考え方からすると、北陸ならではの気候を考えた設計を取り入れないと「机上の高断熱住宅」になってしまう
・断熱性能を高める際、窓のサイズが大きすぎると熱が逃げやすいため、デザインや居住快適性などとバランスをとったうえで最適なサイズにしましょう
・エツサスは北陸の気候を熟知した上で、コストバランスまで考えられた設計が特徴ですが、窓の選び方1つでも、大きな違いが出てくることをお伝えします
<1> 北陸エリアの気候特徴と注意ポイント
北陸エリアの大きな気候上の特徴は、湿度が高いことと、冬の日射量(日照量)が少ないことです。
この気候条件の場合、気を付けるべきポイントは下記です。
・冷暖房が効きやすい断熱性能になっているか
・冬の日射が少ない分、窓を大きくとっても熱が逃げていく量が多くなってしまう
北陸で新築する場合、このような気候条件を考えた設計がおすすめです。
<2>UA値(断熱性能)の基準だけクリアしていればいいわけではない
断熱の話をするとき、UA値(ゆーえーち)という言葉が出てきます。
UA値は家の断熱性能、いわゆる「家の保温性」を表す数値で、数値が低い方が保温性が高い、となります。
このUA値、省エネ法という法律で地域ごとに守るべき基準が決まっています。
例えば石川県金沢市は6地域という区分にあたりますが、断熱基準から見ると、太平洋側の東京や名古屋と「同じ」分類に入ります。
しかし、冬季の日射量は太平洋側と比べると実に3分の1程度しかないので、この冬季の日射量が少ない状況を考えて設計しておくべき、という考え方がHEAT20でも提唱され始めています。
<2-1>北陸の日射量は特に冬季に落ち込む
出典:気象庁
年間の日射量を見てみると、上記の宮崎市と金沢市を比べた表のように、12月~2月の厳寒期に約3分の1程度まで落ち込みます。
しかし断熱上の基準では、金沢と宮崎は同じ断熱性能でいいのです。
出典:YKKAP
金沢は6地域、宮崎は7地域となり地域区分は違えど、この2つを比べると、クリアすべき断熱性能は「同じ」です。
断熱性能を表す基準の中でも、日射の影響が考慮されていないわけではないですが、その影響具合は少なくなります。
むしろ、その地域の平均気温で分類されている影響が大きく、北陸のように気温は厳寒地ほどではないにしても、曇りが多いといった要素はあまり考慮されていません。
そのため、太平洋側と同じ基準を満たすだけでは、特に「冬季の健康的な生活を送るための室内温度を確保する」こととイコールにはなりません。
その地域ならではの気候を考えた設計を取り入れないと「机上の高断熱住宅」になってしまいます。
特に窓の性能・大きさは、この日射を左右する大きな要素になりえます。
北陸は全国的に見ても、夏は高温多湿、冬は多雪かつ多湿といった要素がある地域であり、住宅会社を選ぶ際にもこういった観点が盛り込まれているかどうか?は意外と大事です。
<2-2>窓を大きく取ると北陸ではマイナス?
窓を大きくとるメリット・デメリットは以下のようになります。
窓を大きくするメリットは開放感が出せるといった、間取り・デザイン上のメリットが大きいと言えます。
また、冬季には窓が大きい分、日差しをたくさん取り込める側面があります。
しかし、北陸の場合、冬季に日射量があまり期待できないこともあり、太平洋側エリアに比べて、このメリットが薄くなってきます。
ただ、解説した通り国が決めている断熱基準では曇りが多いか?といった要素は考慮されていません。
しかし、国の基準に単純に則って設計している会社が未だに多い実情があります。
ただ、窓を小さくし過ぎるとデザインや居住快適性など、実際の住み心地のバランスがわるくなっていきます。
このように実際の快適性や、開放感など住宅として忘れてはいけない大事な部分など、様々なことを考慮しつつ、最適なサイズ・性能の窓を選ぶことが大事です。
このあたりは住宅会社の力量の差が出やすいポイントです。
<3>地域補正という考え方
出典:LIXIL
HEAT20を提唱している「20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」は、地域に合わせた断熱性能の基準目安を実際に提示しています。
上図は、同じ6地域という断熱基準のエリアでも、日射量が少ないことを考慮すると、金沢市はより一層、UA値(断熱性能)の強化が必要という内容です。
特にHEAT20では、単純な断熱基準ではなく、冬季における健康的な生活ができる室温を実現するための基準・設計を考えた設計を提唱しています。
HEAT20では、断熱基準が2022年に新設されたときも、目安となる基準として国の基準設定の参考にもなっており、今後このような新しい考え方が出てきてもおかしくありません。
<3-1>特に北陸エリアは基準との乖離が大きい
出典:LIXIL
太平洋側の地域は、基準とそこまで大きな乖離は少なく、地域によってはむしろ基準断熱性能すら不要、という地域すらあります。
この大きな理由は、冬季における日射量の違いです。
この日射をたくさん取り込んだ方がいいのか?それとも窓を大きくせずに保温性を高めた方がいいのか?
窓の大きさや性能は、このような北陸ならではの気候条件を考えて設計することで、より一層、実態としての快適性が高い新築になるでしょう。
まとめ
「北陸ならでは」の気候を “ 科学 ” しているエツサスでは、他社にはない視点を大事にしています。
さらに、全国規模の会社では行き届かない、このような北陸の気候を熟知した上で、コストバランスまで考えられた設計が特徴になっています。
また性能一本足ではなく、奥様やお子さんも居心地がいいナチュラルモダンなデザインも人気です。
エツサスでは、快適性を担保しつつコストパフォーマンスを考えて、断熱は等級6を標準にしていますが、より快適性を重視したい方は断熱等級7も対応できます。
今回は、北陸エリアでの断熱や窓の選び方で、大きな違いが出てくることをお伝えしましたが、気になった方は詳しくモデルハウスなどでお伝えもできますので、ぜひお気軽にご来場ください。
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【家づくりの基礎知識】窓の役割と最適な設計とは? | エツサス