北陸エリアでは、特に大きな家が豊かさの象徴でしたが、現代の家づくりでは価値観が大きく変化しています。
家族構成の変化や建築費の高騰もあり、あえて「30坪前後(約100平米)」のコンパクトな家を選ぶ方が増えています。
実は、30坪というサイズは、4人家族でも十分快適に暮らせるだけでなく、建築コスト、家事動線、冷暖房効率のすべてにおいてバランスが取れた「黄金比」とも言える広さです。
広さという「量」よりも、住み心地という「質」を重視する、現代の賢い家づくりのスタンダードについて解説します。
それでは、今回のコラムの要点から見ていきましょう。
・建築コストを抑えた分を断熱などの性能強化へ回すことで、少ないエネルギーで年中快適に暮らせる、資産価値の高い「質の高い家」が実現します。
・家事動線がコンパクトにまとまり毎日の移動距離が短くなるため、掃除や洗濯の負担が大幅に軽減され、心と時間のゆとりを生み出すことができます。
・室内の空気の量が少ないため冷暖房の効きが非常に良く、高性能な断熱材と組み合わせることでエアコン1台でも家中の温度差がない環境を作れます。
・建物の表面積が減ることで外壁塗装などの将来的な修繕費が安く済む上、毎年の固定資産税や光熱費などのランニングコストも生涯抑えられます。
・廊下を極力なくした間取りにより、家族が自然とリビングに集まる距離感が生まれ、個室にこもりきりにならずコミュニケーションが育まれます。
<1>30坪は決して「狭い家」ではない

「30坪」と聞くと、少し手狭なイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、30坪は約99平米、畳数にすると約60畳です。
マンションで言えばかなり広めの部類に入り、戸建てとしても、夫婦+子供2人の4人家族が暮らす3LDK〜4LDKの間取りとして十分な広さを確保できます。
重要なのは「数字上の坪数」ではなく「実質的な有効スペース」です。
昔の家は長い廊下や独立した客間など、日常的に使わない空間が多くありました。
それらを省き、リビングや収納といった生活空間に充てることで、30坪でも40坪の家以上に広く感じる空間を作ることは十分に可能です。
<1-1>廊下をなくす設計の魔法

30坪の家を広く使う最大のコツは「廊下をなくすこと」です。
玄関ホールから直接リビングへ入り、リビング階段を通じて2階へ上がる動線にすれば、廊下や階段ホールなどの移動専用スペースを削減できます。
この削減できた数坪分を、リビングの広さやファミリークローゼット、パントリーといった収納スペースに転換します。
「移動するためだけの空間」を「暮らすための空間」に変えること。
これが、コンパクトでも豊かに暮らすための設計テクニックです。
<2>経済的なメリットは建築時だけではない

家を小さくすれば、当然ながら材料費や施工手間が減り、建築費用(イニシャルコスト)は安くなります。
しかし、メリットはそれだけではありません。
住み始めてからかかる費用(ランニングコスト)にも大きな差が生まれます。
特に大きいのが「光熱費」と「メンテナンス費」です。
冷暖房すべき空気の量が減るため、電気代は安くなります。
また、10年〜15年後にやってくる外壁塗装や屋根のメンテナンスも、施工面積が小さいため費用を抑えることができます。
さらに見落としがちなのが税金です。
固定資産税や都市計画税は、延床面積や建物の評価額に応じて課税されます。
家がコンパクトであれば、毎年支払う税金も安くなります。
表にまとめると、このようになります。

このように、30坪の家は「建ててからのお金」を生涯にわたって節約してくれる、家計に優しい選択肢と言えます。
<3>高性能住宅 × コンパクトの真の価値

「家を必要十分の大きさ・性能にして、将来の生活・教育費にお金をかける」
これがエツサスの家づくりの基本の考え方です。
さらに家のサイズを抑えれば、同じ総予算でも断熱材のグレードを上げたり、窓をトリプルガラスにしたりすることが可能になります。
家がコンパクトで、かつ高気密・高断熱であれば、外気の影響をより一層受けにくく、魔法瓶のように室温を維持しやすくなります。
つまり「リーズナブルな高性能住宅」を選択することは、建築費と光熱費の両方を抑え、家計全体のゆとりを生み出すことに直結します。
そこで浮いた資金をお子様の教育費や家族旅行などの「人生の体験」に回すことで、建物だけでなく、ご家族の暮らしそのものをより豊かにすることができるのです。
<3-1>教育費と将来の生活にお金をまわす価値

住宅ローンは35年続きますが、その間にお子様の教育費や老後資金の積立など、支出のピークは何度も訪れます。
建物にお金をかけすぎて、日々の生活が苦しくなる「家貧乏」になってしまっては本末転倒です。
広さを数坪適正化するだけで、数百万円単位の予算が浮くことも珍しくありません。
その資金を、お子様の習い事や大学費用、あるいは家族の思い出となる旅行費に回す方が、人生の満足度は確実に高まるのではないでしょうか。
「良い家」とは、単に立派な建物のことではなく、そこに住む家族が金銭的な不安なく、笑顔で豊かな経験を積み重ねていける家のことです。
エツサスでは、建物のスペックだけでなく、お客様の人生設計全体を見据えた、無理のない資金配分をご提案しています。
<4>変化するライフスタイルに対応する

30坪の家づくりでは、個室の使い方にも工夫が必要です。
特に子供部屋は、お子様が使う期間はせいぜい10年〜15年程度です。
独立した後は空き部屋になってしまうことが多いため、最初から6畳・8畳と広くとる必要はありません。
ベッドと机が置ける4.5畳程度あれば十分です。
その分、家族全員が使うリビングや収納を充実させた方が、家全体の満足度は上がります。
将来的に間仕切りを外して一つの大きな部屋にできるような「可変性」を持たせた設計にしておくと、老後の趣味部屋や収納スペースとしても有効活用できます。
<4-1>掃除が行き届き、常に綺麗な家に

家が広いと、掃除機をかけるだけでも一苦労です。
使っていない部屋の換気や掃除も負担になります。30坪の家なら、毎日の掃除機がけも短時間で終わります。
ルンバなどのロボット掃除機一台で、1階のほぼ全てのエリアをカバーすることも可能です。
「掃除が楽」ということは、「家を綺麗に保ちやすい」ということでもあります。
汚れを溜め込まず、メンテナンスが行き届いた家は、結果的に建物の寿命を延ばすことにもつながります。
まとめ

「30坪前後」というサイズは、妥協の結果ではなく、現代のライフスタイルにおける「最適解」の一つです。
無駄な広さを削ぎ落とし、その分を住宅性能や素材の質感といった「質」に投資する。
そうすることで、光熱費やメンテナンス費といった将来の負担を減らしながら、一年中快適な温熱環境を手に入れることができます。
広すぎる家を持て余すより、身の丈に合った高性能な家の方が、暮らしの満足度は高くなるでしょう。
エツサスでは、30坪という限られた面積を最大限に活かす設計力と、コンパクトな空間を快適に保つための高い断熱性能を兼ね備えた家づくりをご提案しています。
「30坪でどんな間取りができるの?」「実際の広さを体感したい」など、少しでも気になった方は、ぜひお気軽にご相談ください。
