こんにちは。ETUSUSの多賀です。
これから家を建てようとお考えの方はデザインや間取り、構造性能・工法などさまざまな角度から依頼する住宅会社を検討されていると思います。住宅会社にはそれぞれ特徴があり、会社ごとの売りや強みもさまざまです。
ところで、今みなさんが検討している住宅会社では、現場で実際にどのような工事や検査が行なわれているのか、考えてみたことがありますか。
「プロの大工さんがしっかりと建ててくれるはず」とお考えかもしれませんが、多くの場合私たちは住宅会社を選ぶことができても、大工さんを選ぶことができません。腕のいい大工さんが家を建ててくれれば心配ありませんが、もしそうでないとしたら…あまり想像したくないですね。「うちは腕のいい大工さんしかいないので心配ありません」とか「うちは決まった大工さんしか施工しないから大丈夫」という住宅会社の言葉を疑ってほしいわけではありませんが、大工さんもやはり「人間」。うっかりすることもあります。常に完璧な仕事ができるとは限りませんし、運悪く“うっかり”があなたの家で起こるかもしれません・・・。
ではどうすればしっかりと施工された家を手に入れることができるでしょうか?
その答えの一つが、「厳正な現場検査」です。人はミスをするもの!という前提でしっかりとチェックできる「仕組み」がある会社を選ぶことは、いい家づくりの条件といっても過言ではありません。今回は家づくりにおける現場検査とその意外な落とし穴、どうすれば施工ミスを防いで「いい家」をつくることができるのかについて解説します。
1.現場検査とは?
2.社内検査に潜むリスク
3.検査がゴールではない!?大切なのはしっかりとした施工基準
<1>現場検査とは?
ではそもそも住宅の建設現場ではどのような検査が行われているのでしょうか。
一般的には次の4つの検査が行われています。
①建築基準法の検査
②住宅瑕疵担保責任保険の検査
③工事監理者検査
④社内検査
それぞれ検査の目的や項目、検査を行なう人が異なります。1つずつ簡単にご紹介します。
①建築基準法の検査
これは建築基準法に適合しているかを確認する検査で、行政または国指定の検査機関が行なうものです。
検査のタイミングは建物の骨組みが出来上がった段階の「中間検査」と、建物完成時の「完了検査」です。この検査で確認するのは、あくまで住宅として最低限度のレベルに達しているかということで、時間も1回当たり10~20分程度と短いものです。また地域によっては中間検査が免除されている場合があります。
②住宅瑕疵担保責任保険の検査
これは保険申込に必要な基準への適合を確認する検査で、国指定の保険会社が行なうものです。検査のタイミングは基礎の配筋工事が完了した段階の「基礎検査」と、屋根工事が完了した段階の「構造体検査」の2回です。住宅会社には、構造の欠陥と雨漏りの重大欠陥に対して10年間の保証が義務付けられており、ほとんどの場合この保険に加入します。
検査担当者が重要視するのは、保険の支払い対象となる瑕疵が発生しないかどうかであり、施主の目線に立った検査ではありません。また現場での検査項目も主に構造を対象とした検査であり、時間も1回当たり20~30分程度。また防水に関しては書類中心のチェックになります。
いかがでしょうか、この2つが住宅で行なわれる公的な検査ですが、どちらも住宅の一部をスポットで確認するもの、しかも現場にくるタイミングもそれぞれ2回ずつしかありません。はたしてこれで、住宅の性能が担保されていると言えるでしょうか。心配ですよね。
そのために、住宅会社で行なわれるのが次の2つの検査です。
③工事監理者検査
これは工事が設計図書通りに行なわれているか、照合・確認するもので、法律で配置することが定められている工事監理者が行なうものです。確認内容等は工事監理ガイドラインに例示されており、事業工事~工事完了まで、全行程にわたっています。
工事監理者は設計と施工の照合を設計士の立場で確認するため、住宅の設計に携わった建築士が行なうことが一般的です。施工者側が行なう検査ではないため、不備があればしっかりと指摘が入ります。
④社内検査
これは施主に対して十分な品質の住宅を提供するために行なう検査で、住宅会社が行なうものです。「いい家」をつくるためには最も重要な検査です。
検査の項目や基準、タイミング、検査方法等、全て住宅会社によって異なります。ハウスメーカー等は社内の品質基準を一般より高いレベルに設定しており、厳正な検査体制を設けています。しかし小さな住宅会社になると、会社によっては明確な基準がない場合もあります。
<2>社内検査に潜むリスク
さて、住宅会社で行なわれる「工事監理者検査」と「社内検査」。こちらがしっかりと行なわれていれば、何の問題もありませんが、この2つの検査がきちんと機能している住宅会社、実は少ないのが現実です。
社内検査については、そもそも行なっていないところ、「勘と経験」によって行なっているところ、また完了時にしか行なっていないところもあります。
チェックシートがあったとしても、チェックする人によって基準がバラバラだったり、いつも大丈夫だからとチェックをとばしたり、「これくらいなら・・・」と甘くなったり、やり直す時間がないからと見て見ぬふりしたり・・・。
住宅業界不振になりそうですね。
もちろん全ての住宅会社が、このような検査を行なっているわけではありません。自社の施工基準やチェック体制を細かく定め、厳正に検査を行なっている住宅会社もあります。しかし住宅会社の選考時にそれを見抜くのは至難の業です。
ではテキトー検査で家が建ってしまう事態を回避するためにはどうすれば良いのか。
お勧めしたいのは、「第三者検査」を導入することです。
第三者検査とは、独立性のある検査専門会社が行なう検査です。検査を専門に行なっている会社ですから、瑕疵に繋がりやすい施工状態や、漏れが起きやすい箇所などの知識や経験も豊富です。甘いチェックも忖度もありませんし、しっかりと時間をかけて検査してくれます。
もちろん費用はかかりますが、費用に見合う安心を得られます。
最近では、施主から直接依頼を受けて住宅の検査を行なう場面が増えてきているそうです。
<3>検査がゴールではない⁉ 大切なのはしっかりとした施工基準
お金をかけて第三者検査を行なえば、住宅の品質は担保できそうです。
しかし、本来プロじゃない施主自らが検査会社を探して依頼しないと、住宅の品質が担保されないなんておかしな話ですよね。検査自体を行なっていない会社は論外として、本来であればやっていて当然の検査が満足に行なわれていない原因の1つが、「明確な施工基準が決められていない」ことにあります。
例えば「釘打ちして留める」という工事1つをとっても、「どの釘を使うのか」「何本打つのか」「釘同士の間隔は」「端からの間隔は」「釘の頭のめり込みの許容範囲は」など、明確にしておかなければならない項目が数多くあります。これらの基準が明確になっていないと、「施工がだいたいになる → 基準が明確でないから検査もだいたい、不備が多いから甘くなる」という悪循環が発生します。
基準が明確でちゃんと周知されていれば、「基準にそった施工を行なう → 基準にそって検査を行なうから、基準から外れたものが見つけやすい」となり、“万が一のミス”も見逃しにくくなります。
この状態に加えて第三者検査を導入すれば完璧ですね!
施工基準や検査体制がしっかりしている住宅会社の見つけ方ですが、「施工基準書はあるか」「検査のチェックシートはあるか」「第三者検査を導入したい」などと聞いてみるのも一つの方法です。施工や検査をきちんと行なっていない会社ほど嫌がるでしょう。
また施工や検査体制に自信がある会社であれば、ホームページやパンフレットにそのことが記されていることと思います。
施工基準や検査体制のしっかりした住宅会社を選んで、いい家を建ててくださいね!
<まとめ>
住宅を建てるときには、一般的に「建築基準法の検査」「住宅瑕疵担保責任保険の検査」「工事監理者検査」「社内検査」の4つの検査が行われます。しかしこの検査が全て機能している現場は少なく、いつまでも欠陥住宅や施工ミスがなくなりません。検査自体を行なっていない会社は論外として、検査がきちんと機能していない原因の1つが「明確な施工基準がない」ことです。明確な施工基準があって初めて検査が機能します。またそこに検査のプロである「第三者検査」を導入すれば、完璧に品質管理されたいい家を建てることができます。
ETUSUSでは、加盟9社で品質のバラつきが発生しないよう、事前に施工基準・チェック項目がしっかり決まっています。また第三者検査を標準で導入しており、工事を進めるうえで後戻りできない主要な全10回のタイミングのうち、特に主要瑕疵につながりやすい影響の大きな6工程を第三者検査、残りの4工程は社内検査を行なっています。検査後には現場監査記録書・施工品質監査済証を発行し、品質の担保を図っています。
また保険会社と協力体制をとり、検査で基準をクリアすることで、通常は10年である瑕疵保証が20年になります。安心が長く続くETUSUSを、是非一度ご検討ください。