家づくりを始めると、断熱材に関する様々なPRを耳にすると思います。
しかし、断熱材の素材や厚みだけで本当の温熱環境の快適性は決まりません。
今回は、北陸の気候を踏まえた気密性や換気、空調の重要性など、素材以上に目を向けるべき本質的なポイントをお伝えします。
それでは、まず結論からお伝えします。
・断熱材の素材や厚みだけで家の快適性は決まらないため、トータルバランスでの検討が重要
・グラスウールや吹付断熱など、どの素材にも特徴があり「これを選べば正解」というものはない
・断熱性能を最大限に引き出すためには、家の隙間をなくす「気密性」の確保が欠かせない
・冬の寒さや湿気が厳しい北陸エリアでは、熱交換型の換気扇選びが住み心地を左右する
・間取りに合わせた適切な空調機器の配置など、複合的な設計が本来の快適な暮らしを実現する
<1>断熱材の比較で家づくりを決めていませんか

出典:断熱性|プレウォール工法
昨今は住宅業界全体で省エネに注目・関心が集まっており、家づくりをする中で断熱性能に関心を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その際、よく話題に上るのが断熱材の種類です。
「グラスウールは良くない」「吹付断熱の方が優れている」といった情報を目にして、断熱材の素材を気にされる方もいらっしゃいます。
もちろん、各素材の特徴を理解することは大切ですが、断熱材の素材や工法、厚みだけで住まいの快適性が決まるわけではありません。
家全体を一つのシステムとして捉え、総合的な視点で判断していくことが、後悔しない家づくりの第一歩となります。
<1-1>各断熱素材が持つ特徴と適性

出典:断熱性|プレウォール工法
断熱材には様々な種類があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
特定の素材を否定するのではなく、特に断熱材は適材適所で活用する視点が求められます。
代表的な断熱材の特徴を以下の表にまとめました。
このように、どの素材にも長所と短所があります。
高価な素材を使えば必ず暖かくなるわけではなく、予算や家の構造に合わせて適切な素材を選び、確実な施工を行うことの方が重要です。
<2>快適性を大きく左右する「気密性」の重要性

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断熱材の性能を正しく発揮させるために欠かせない要素が「気密性」です。
どれほど分厚く高性能な断熱材を使用しても、家に隙間が多く空気が漏れてしまう状態では効果が半減します。
冬場に分厚いセーターを着ても、風を通す素材であれば寒さを感じるのと同じ理屈です。
セーターの上に風を通さない上着を着ることで暖かさが保たれるように、住宅においても断熱と気密はセットで考える必要があります。
気密性が低い家では、せっかく温めた空気が隙間から逃げてしまい、代わりに外の冷たい空気が入り込んできます。
また、壁の中に結露が発生しやすくなり、建物の寿命を縮める原因にもなりかねません。
隙間なく丁寧に施工された気密性の高い家づくりが、快適で健康的な暮らしの土台となります。
<3>北陸の気候に合わせた空調換気設計

断熱と気密をしっかりと確保した上で、次に考えるべきなのが換気と空調の計画です。
特に冬の日照時間が短く、年間を通して湿度が高い北陸エリアにおいては、地域の気候特性に合わせた設計が住み心地を大きく左右します。
断熱等級などにこだわることはもちろん大切ですが、それだけでは北陸ならではの気候風土に対応しきれない場面もあります。
<3-1> 熱交換型換気扇の役割

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高気密高断熱の住宅では、室内の空気を新鮮に保つための計画的な換気が法律で義務付けられています。
ここで意外と重要な設備が、換気扇の種類です。
一般的な換気方式では、冬の冷たい外気をそのまま室内に取り込んでしまい、せっかく温調した室内の空気をそのまま排出してしまいます。
そこで活躍するのが熱交換型の換気システムです。
熱交換型の換気扇は、排出する室内の暖かい空気(涼しい空気)と、新しく取り入れる外気とで、熱・湿気を調整してから室内に供給します。
これにより、室内の温度変化を最小限に抑えながら新鮮な空気を取り入れることが可能です。
冷暖房の効率を落とさずに換気ができるため、北陸の厳しい冬・湿気の高い夏でも部屋中を快適な温度に保ちやすくなります。
<3-2>適切な空調機器の配置と間取り

快適な室温を維持するためには、エアコンなどの空調機器をどこに配置するかも重要なポイントです。
単に容量の大きなエアコンを設置すれば良いというわけではありません。
部屋の広さや窓の位置、日差しの入り方を計算し、空気が家全体に効率よく循環するような配置を考える必要があります。
また、間取りの工夫も空調効率に影響を与えます。
一般的な観点では、吹き抜けのあるリビングなどは暖かい空気が上へ逃げやすくなり、上下階の温度差が出てきます。
しかし、エツサスのような超高断熱住宅の場合、むしろ吹抜けなどをうまく利用した、空気の通り道を予測した設計が求められます。
日射量の少ない北陸の冬でも、太陽の光を最大限に取り入れる窓の配置や、逆に夏の強い日差しを遮る工夫など、自然の力を活用するパッシブデザインの視点も大切です。
まとめ

今回は、断熱材の素材や工法だけでなく、気密性や換気、空調計画といった複合的な視点から、本当に快適な住まいをつくるためのポイントをお伝えしました。
家づくりにおいては、一つひとつの素材を単独で比較するのではなく、トータルバランスで本来の価値を見極めることが大切です。
特に北陸の気候環境では、全国一律の基準だけにとらわれない、地域に根差した設計やご家族の暮らしに合わせた間取りの工夫が欠かせません。
エツサスでは、北陸の気候を熟知した上で、快適性とコストバランスを両立させた合理的な家づくりをご提案しています。
住まいの性能や間取りでお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

