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ウクライナ情勢でウッドショック再来!?木材不足で住宅価格はどこまで上がるのか?

今回はロシアのウクライナ侵攻による日本の木材供給への影響について解説します。日本では様々な分野で価格高騰などの影響を受けていますが、木材業界・住宅業界も例外ではありません。この記事を読んでいただくことで、日本の木材供給の現状、今後の家づくりへの影響、今後の住宅価格予測がわかります。

次の3つのテーマに沿って解説します。
1. ウクライナ情勢は日本の木材供給へどう影響する?
2.ウッドショック再来と合板ショックの危機
3.今後の住宅価格を予測!

<1>ウクライナ情勢は日本の木材供給へどう影響する?

日本とロシアは旧ソ連時代から長い貿易関係にあり、日本はロシアから木材や合板用の単板を大量に輸入しています。2020年のデータを見ると、ロシアからの木材輸入額は448億円-これは木材輸入額全体の5%に相当します。内訳をみると製材の輸入額が約7割を占めています。製材とは丸太を切り出して角材や板状に整えた木材のことで、ロシア材は主に天井や壁の下地材として使われています。見た目のきれいさや取り扱いのしやすさなどから、木造住宅の現場においてロシア材は重宝されてきました。また単板の輸入量ではロシアが全体の約8割のシェアを占めています。日本では輸入した単板を貼り合わせて、壁や床の下地となる「構造用合板」を作っています。このように日本の家づくりにおいてロシア材は無くてはならない存在となっています。

 

しかし2022年2月末にロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めたことで、ロシアからの木材輸入に影響が出ています。経済制裁や国際銀行間通信協会(SWIFT)からの銀行排除により、ロシアから木材を購入できなくなるのではないかという懸念が広がっていました。実際にロシア軍によるウクライナ侵攻以降、一部のロシア産製材が急激に値上がりしています。今後の流通の不安から、売り惜しみ姿勢を強める商社が出てくることも予想されています。

<2>ウッドショック再来と合板ショックの危機

いま世界ではウッドショックの再来が懸念されています。ウクライナへの侵攻を止めないロシアに対し、国際社会は様々な制裁を科してきました。するとロシアは報復措置として日本や欧州諸国などの非友好国に対し、丸太・単板・チップの輸出停止を打ち出しました。ロシアは世界最大の製材品の輸出国であるとともに、世界第2位の丸太輸出国でもあります。ロシアから木材が入ってこないとなると、世界各地で木材が足りなくなることが懸念されています。特に欧州はロシアから木材を大量に輸入しており、日本はその欧州から木材を多く輸入しています。欧州が不足分を自域内で賄うようになれば、輸出余力がなくなって日本への輸出が減少することも考えられます。世界的な木材不足と価格高騰、つまりウッドショックの再来は避けられないでしょう。

影響を受けているのは木材だけではありません。構造用合板も供給不足と値上がりが続いています。この「合板ショック」はウクライナ侵攻の以前から起きていました。2021年1月頃に始まったウッドショックによって家の柱や梁に使う製材品の輸入が減り、代わりに国産材を使おうとする動きが強まりました。すると合板向けよりも高く売れる製材品向けに国産丸太が流れ、合板メーカーは十分な材料を仕入れることができなくなっていました。さらに単板を貼り合わせる際に必要な接着剤も値上がりしており、供給不足と相まって合板価格の高騰につながりました。国内の住宅着工は堅調で、大きな需要の落ち込みもないため、メーカーは在庫を貯めることもできず、市場は常に合板不足の状態となっていました。

そんな中で更なる追い打ちとなったのがロシアの報復措置です。日本は単板・丸太・木材チップなど200品目の輸出停止を受けました。合板の材料となる単板輸入の約8割をロシアに頼っていた日本にとって、この報復措置はとても大きな痛手です。ロシア産の単板を仕入れていた合板メーカーでは国産材への切り替えを迫られたため、国産材の需要がより一層高まっています。今後も合板の価格高騰は収まる兆しが見えません。

<3>今後の住宅価格を予測!

ロシアの報復措置、ウッドショック、合板ショックのトリプルパンチにより、今後も木材・合板の値上がりは続くでしょう。また木材以外の建材も値上がりしているので、住宅価格全体でみるとかなり上がることが予想されます。具体的に言えば、ウクライナ侵攻前の1月価格と比べて、30坪の住宅(木材、合板、その他の建材を含む)で100万円ほどのアップになると思います。坪単価では3万円~3万5千円ほどのアップになります。現在はまだメーカーに在庫がありますので、すぐに値上がりするということはなさそうです。住宅価格に転嫁し始めるのは10月以降と予想しています。値上がり前の9月ごろまでに契約して価格を決定しておくというのが対策の一つとなるでしょう。また新年度に入り様々な補助金制度の情報も出てきていますので、うまく活用しながら建てましょう。

おさらい

ロシア軍によるウクライナ侵攻前より、日本ではウッドショックと合板ショックによる価格高騰や国産材の争奪戦が起こっていました。そこにロシアからの報復措置が加わったことで、日本の木材・合板供給は大きな打撃を受け、世界的なウッドショックの再来も危惧されています。住宅価格は木材や合板、その他の建材を含めると、ウクライナ侵攻前の1月価格と比べて30坪の住宅で100万円ほど、坪単価では3万円~3万5千円ほどのアップになると思われます。住宅価格への転嫁は10月以降と予想されるので、9月ごろまでに契約して価格を決定しておきましょう。また情報収集を密にしながら、補助金をうまく活用して建てましょう。

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